危機は集団を強くする 2
それによって、さらにいっそうその発想とすべを我がものにしていま、1987年秋からはじまった新・円高時代と言われる対ドル120円台を迎えているわけです。
1988年2月末のNHKテレビは、日本企業の生き残り戦略を紹介し、円高が、技術開発を加速し、体力をつける方向に働いている様子を紹介していました。
その中である大企業のトップが、
「5パーセントのコストダウンなら改善で凌げる余地は残るが、30パーセントとか50パーセントともなれば、発想を元から変えなくてはならない」
・・・と言っていたのが印象的でした。
状況が発想転換を強制しているのです。
このままいくと、円高がますます日本経済の競争力を強めて、円高が円高を誘発するという悪循環さえ懸念されるほどです。
この反対の助けは、集団を弱体化していくほうに作用します。
数年前の米国の農業政策の転換は、それまでの保護から市場原理の導入へのものでした。
70パーセントが学卒だという農業経営者に革新を促すための保護政策という助けが、革新どころか、逆にそれを妨げて、農業力を弱体化してしまったという認識のもとに行われたのでした。